監督・脚本フィリップ・ガレルの最新作。
3世代の家族愛を通して描いたドラマ映画。
ミニマムな作風のガレルにとって、本作のテーマはとても相性がよく、実の父が人形使いだった実体験が投影されている。
ガレル自身とも捉えられる父親役や、劇中の3人の子供は監督の実子なので、本当の家族のように一体感がある。
その家族に迫る現実、そして選択を迫られる三人の兄妹。
原題の「Le Grand Chariot」は、北斗七星という意味のフランス語。
ガレルにとって、映画が人形劇のように衰退していく芸術、という見方もできなくはないように感じられる、厳しくも温かみのある作品。
ベルリン映画祭銀熊賞(最優秀監督賞)。