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ミツバチと私のitoのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチと私(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

自分のことが分からないと感じるルシア。
本当の自分を表すことが出来ないのは本当に苦しいことだからこそ、ありのままを受け入れてくれる人がいることは本当に救いになると思う。
子供は意外と気づいているものなんです。親が自分のことを話しているとか、言葉ではこう言っていても本当はそうは思ってないのではないかとか。敏感なのに、周りの大人たちは自分のエゴのために体裁を気にして周りと同じを押し付けようとする。

私がいちばん記憶に残っているのは式でルシアが着ていたドレスを着替えていたところ。その理由がママを悲しませたくないからという理由で胸が苦しくなりました。ルシアに自分を偽らせてしまっているのは自分たちだと、本人に言われてから出ないと、彼女がいなくなってしまってからでは無いと気がつけないというのが辛かったです。

おばさんが、死ななくてもいい。あなたはもう女の子よ。って言ってくれたシーン、涙が出ました。こうして受け入れてくれることはルシアにとって何よりも嬉しいことだと思います。最後お兄ちゃんが誰よりも先にルシアと名前を呼んであげていたところも感動しました。

途中で信じるものを守るために処罰されたという伝説?の話を聞いてとても残酷だなと思い、この作品と重ね合わせてしまいました。

この作品はぜひたくさんの人に見てほしいです。少しでも多くの人に現状を知ってもらい、自分の考えを改めるきっかけになればと思います。
なかなか受け入れることが出来ない気持ちもわかるけれど、他とは違うということが特別であると思われないような世界にしたいと思いました。
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