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ミツバチと私のCinedogのレビュー・感想・評価

ミツバチと私(2023年製作の映画)
3.2
2024-6
舞台:🇫🇷→🇪🇸バスク地方

自分の性自認に迷う子どもの葛藤と、寄り添う家族の姿をつづったスペイン発のヒューマンドラマ

原題は『20.000 especies de abejas』
直訳で「20000種のハチ」

●あらすじ
夏のバカンスでフランスからスペインにやって来た家族。8歳のアイトールは自分の性自認が分からず、違和感と居心地の悪さを抱えて心を閉ざしている。母はそんなアイトールを愛しながらも、向き合い方に悩んでいた。ある日、叔母が営む養蜂場でミツバチの生態を知ったアイトールは、ハチや自然とのふれあいを通して心をほどき、ありのままで生きていきたいという思いを強めていく。

自身の性自認に悩む8歳の少年とそれを取り巻く家族の話
アイトールを演じるソフィア・オテロが若い頃のキムタクをそのまま子どもにしたみたいな顔立ちで本当に美少年だった

同じく青年期のLGBTQを描いた『Call Me By Your Name』(2017)を観た時は、なぜあなたの名前で僕を呼んで欲しいのか、全く分からなかったがこの映画を通して何となくその気持ちが分かった気がする

感情を言葉にする術も知らない8歳という未熟で不安定な時期。
アイデンティティを形成するこの大事な時期に自分の性とは違う名前やあだ名で呼ばれることは本人にとって何よりも苦痛で、自分の存在を否定された気分になる。

幼くして「死」という選択肢が出てくるのはとてもショッキングだったが、理解者である叔母さんとの出会いでアイトールはルシアへと生まれ変わる。

大きく変わると書いて「大変」
でもそれを乗り越えたら新しい世界がきっと広がってるはず。
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