「かわいい」と言われてうれしそうにほほ笑み、「男の子なのよ」と言われてうんざりしたようなかなしそうなすねたような複雑な表情をみせる
そんなココの癇癪で物語ははじまる
「学校」ってカテゴライズされやすいから(楽だからなんだろうけど)、性別への違和が居心地わるく横たわっていたんだろう
男性として抑圧されているせいで、きっとその違和を上手に認めることができないでいる
自分以外ーーあるいは本来の自分ーーであるために、新しい土地は背中を押す
たとえば自分がアネの立場だったら、(ココが性自認に迷っているという前提を踏まえていないと)異性への興味や好奇心ーー甘やかしすぎだと父親に評されるようなーーにも見える描かれ方だから、判断に迷ってしまいそうだなと感じていた
「性別は関係ない」という考えも寛容にきこえたけれど、それさえも否定として響いてしまうのか
家族ってほんとうにむずかしいね
やわらかくただココに耳を傾ける叔母さんと、ありのままのココを受けとめているニコの存在がとても救いだった
ミツバチの巣箱をルシアがノックするシーンが美しくて、そして切なくて、泣いてしまった