このレビューはネタバレを含みます
自分でさえコントロールできない状態を、自分以外のひとに理解してもらえることなんて、ほとんど起こりえない
というか、自分が理解しきれていないことなのに、我が物顔で語られようものなら、苛立ちは募りそうだ
藤沢さんと山添くんはお互い寄り添おうと努めるけど、理解できるとはおもっていなそうだからこんなにもやさしく響くんじゃないかな
It's always darkest before the dawn.
夜明けは必ず訪れるけれど、そんな言葉が慰めにならないときもある
闇の向こうの途轍もない広がりに思いを馳せて呆然とするばかりかもしれない
それでもやっぱりこじ開けるのは自分なんだよね、「助けることはできるのかもしれない」けど
山添くんがひかりのなかを自転車で駆け出すシーンが素晴らしすぎてめちゃめちゃ泣いてしまった
(斉藤陽一郎に気がつけなかったのがとっても悔しい!)
追記 - - - - -
そっか、変わることを拒絶していないからこんなに柔らかいのか
藤沢さんと山添くんの関係もそうだし、山添くんの「今の会社に残ろうと思います」という台詞(鯛焼きを差し入れる場面や、エンドロールでの台詞、などの変化)、藤沢さんの転職、それを聞いたときの山添くんのナチュラルな反応
そして描かれないけど、山添くんと恋人の別れの場面も、彼女が終わっても大丈夫と思えたから切り出したようにおもう
あらゆる出来事を取り立てて劇的に描いていなくて、日々すこしずつ、それぞれ乗り越えようとしている
それでも、喝をいれようなんて微塵もかんじないその視点が、やっぱりやさしすぎる…