さよなら。いつかわかることのNellaのネタバレレビュー・内容・結末

これ良かった。家族の中で、軍人として死ぬのが夫ではなく妻。夫は、確か目が悪かったとかで除隊させられてしまう。夫こそバリバリの愛国主義者で軍人として活躍したいのにそうできず、マチズモの行き場がない。そこで、妻だけでも国のために立派に戦って死んだのだ、という美談を自分の中に作り出す。
しかし思春期を迎える娘は、「イラク戦争は本当に正義のためだったのか」という疑問を持ち始める。9.11の報復として始まった戦争だが、結局イラクに大量破壊兵器など隠されていなかったし、ハイジャック犯はサウジアラビア人だった。そういうニュースを、よそで聞いて、外で出会った少年と恋に落ちる。娘はもうこの「家族」から巣立とうとしている。その最後のイニシェーションが母親の死だなんて残酷すぎるけど、当時のアメリカの世相と少女の成長を上手く絡めていたと思う。

どうでもいい話だけど監督さんがめっちゃ若いイケメンだったのをよく覚えてる。今は大分お年を召されましたが。あと音楽が素晴らしいイーストウッド多才すぎる。