アルツハイマーで記憶を失っていくチリ人ジャーナリストの夫アウグストと彼を支える妻パウリナを描いたドキュメンタリー。朗らかでフレンドリーそうに見えるアウグストに、序盤は「アルツハイマーでもこんな人がいるんだ」と思ったが、パウリナを認識できず、パニックに陥るアウグストを見ると、「やっぱりそうだよね…」と暗い気持ちになる。二人の関係は素晴らしいと思うが、誰でもこの域に達することができるとは思えなかった(だからこそ映画として成立しているのだろうが)。どんな状態のアウグストも受け入れ、彼を愛し続けるパウリナに「どうしてそこまでできるの?」と聞いてみたかった。