カナ

ビヨンド・ユートピア 脱北のカナのレビュー・感想・評価

4.0
すごく観たかった作品。
いかに自分が北朝鮮に対して知識不足か思い知らされた。

脱北中のおばあちゃんの、「金総書記はあんなに賢いのに、国が豊かじゃないのは私たち国民が愚かだからじゃないのか」という、洗脳ゆえに自分たちを責める発言や、幼い子どもが「もし捕えられれば命がない」ということを自覚していて涙を流すシーンに胸が痛んだ。

お年寄りから子どもでさえも完全に洗脳され、脱北の際は何時間も真っ暗なジャングルを越えなければならないという現状を目の当たりにして、本当に今隣の国で起きてることなのか?と信じられなかった。

そして、脱北できれば終わり!というわけではなく、今まで一緒に過ごしてきた友人や親戚たちと一生会えなくなる辛さと向き合わなければならない。この作品を観るまでは脱北=幸せなのではと思っていたけれども、北朝鮮の人からすれば長年住み続けた故郷を捨てることになるわけで、そんな簡単なことではないんだと気づいた。
脱北後も背負い続けるものは大きいのだろうけど、幸せに過ごしていてほしいです。
カナ

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