あやか

マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間のあやかのレビュー・感想・評価

5.0
「これをカメラで撮れ」と何人もの市民が訴えるように、目を覆いたくなるような真実と向き合う義務が私たちにはある。

自分の命が無くなってしまう危険を冒して彼が撮った戦場の最前線は、あまりにも酷すぎて絶対に忘れられない。自分の家が車が家族が、そして国が無くなってしまうとはどういうことかをネットやニュースの情報だけでは生まれない目線で考えさせられる。戦火で生きる彼らの悲しみや憎しみ、絶望、恐怖を目にするのはとても辛いが、辛くても見る義務が私たちにはあると強く思う。だからこそこの作品をできるだけ多くの人に見てほしいと願い、この文章を書く。

私事だが、ホームステイ先のホストマザーがウクライナ出身だった。連日放送されるニュースを目にする彼女の表情と言葉は忘れられない。彼女の表情と言葉を目の前にした時、こんな自分に何ができるのか、何も声をかけられない自分に絶望した。そんな経験を最近したからこそ、この作品を目の前にして、すぐに言葉では表せない感情を抱いている。ただ1つ確実に言えるのは、ウクライナで起きている真実に関心を向け続け考えることが大切だと思う。それがこの作品を世の中に残した意義でもあるから。
あやか

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