デンマークの統治下に置かれていた19世紀後半のアイスランド辺境の村に教会を建てるべく、デンマークから派遣された若き牧師ルーカスの物語。
アイスランドで発見された、デンマーク人の神父が撮影した7枚の湿板写真からインスピレーションを受けたとオープニングに出てからの（この話も創作みたいですが）、スタンダードサイズのフィルム風画面が始まります。
アイスランドで生まれ育ち、デンマークに長く住み、現在はアイスランド在住のフリーヌル・パルマソン監督ということで、2つの国のタイトル「Vanskabte Land(デンマーク語)」と「Volaða Land(アイスランド語)」が何度か出てきたり、デンマーク語を話す(アイスランド語は覚える気もない)ルーカスと、デンマークを嫌悪しデンマーク語は話さないアイスランド人の老ガイド・ラグナルとの対立、2つの言語の字幕...と、2つの国への複雑な思いが感じ取れます。
撮影に2年が費やされたというアイスランドの美しく厳しい大自然は見どころですが、主人公ルーカスのキャラ設定がなんとも...
怯えたような表情で、慈悲深さも見えず、気に食わないラグナルとは相容れず、直情的な面も...どう見ても辺境の地の人々を癒やし導くような人物には見えず。笑;
そもそも上陸後、現地まで行くには航路という手もあるのに、人々や自然を撮影するという目的で、厳しい自然の中を重いカメラ機材などを何匹もの馬と複数のガイドで横断するという選択をしたばかりに・・
ということで、印象的な映像や、ラグナル役の味わい深さ、ルーカスを受け入れるデンマークからこの村に移り住む男カールと二人の娘アンナとイーダのキャストなど良かったものの、ルーカスのキャラのせいでコメディ？に見えてしまうという不思議な読後感でした。
