MasaichiYaguchi

ゴッドランド/GODLANDのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)
3.8
本作ではデンマークとアイスランド夫々の言語で題名が現れるが、その意味は「厳しい土地」を指す。
キリスト教布教で宗主国デンマークから派遣された野心的な牧師ルーカスが、教会建設の為に辺境の村で経験するカルチャーショックを恰も象徴するかのようだ。
デンマークの若き牧師ルーカスは、植民地アイスランドの辺境の村に教会を建てるため布教の旅に出る。
アイスランドの浜辺から馬に乗って遥か遠い目的地を目指すが、その道程は想像を絶する厳しさだった。
デンマークを嫌うガイドの老人ラグナルと対立する中、思わぬアクシデントに見舞われたルーカスは狂気の淵へと追い込まれ、瀕死の状態でようやく村に辿り着く。
瀕死の状態で到着した村では、デンマーク移民のカールと娘のアンナとイーダなど、一部の住民が教会に関心を寄せる程度だった。
使命を見失ったルーカスは次第に孤立を深めていくことになる。
その孤立からは、文明と自然の対立、コミュニケーションの断絶による異文化との衝突、支配や信仰など、現代にも通じる普遍的なテーマが浮き彫りにされていきます。