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ロ・ギワンのmoooのレビュー・感想・評価

ロ・ギワン(2024年製作の映画)
3.3
脱北からの身を隠しての生活、貧困、臓器売買、難民申請…
こんな辛い人生あるのかってくらい泥沼の中でも、澄んだ瞳のままの20歳の青年役のソンジュンギ(実年齢2倍近く)。
こんな辛いのなら、挫けて自ら生きることを諦めてしまいそうだけど、それでも力の限り生きる。
日本に生まれると、小さな事で、もうダメだ、人生終わりかもなんて思う時もあるけど、
人間として生まれたからには生きたい!とシンプルに強く願う力に胸を打たれる。

脱北のドキュメンタリーは幾度となく見たことあるので、その壮絶さは少しは知っているものの、
そこからベルギーまで行っても、人生の辛さは変わらず。
「人類は皆平等である」と言うのは、ある一定の豊かな国であればそうだけど、世界には人権がない国もいっぱいあるからな…自分が生まれる国は選べないので辛い。

ソンジュンギ20歳の青年役は違和感全然なくて、演技力の高さは素晴らしかった。
ただ、脱北からの生きる権利を獲得して行く中で、ラブストーリーやら相手役の女性の悪の組織やらちょっと色々ありすぎて、まとまりつかなくなってたかなという印象。

あと、せっかくこぎつけた裁判で、途中でマリ助けなきゃ!って謎に第六感のみで退席するのも、なんで?ってなる。

そこそこ裕福そうな女性が悪の組織(これちゃっちい感じの組織でよく分からん)にハマって行くのも、親との軋轢も、色々入れ込もうとするのでどれがメイン?ってなってしまっているような?

ソンジュンギが、この重いテーマの映画に挑戦したかったのも分かるけれど、脚本自体もっと脱北からの生き様のみにフォーカスで良かった気もする。ソンジュンギの演技力に+0.3だけど、本当は3くらい。。。
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