2D字幕にて鑑賞。
韓国製作のフェイクドキュメンタリーホラー。
ジャンプスケアが大量にある訳ではなく(全編で3,4回ほど)、雰囲気から怖がらせていくアジアンホラー。
また、失踪した撮影クルーが遺したビデオを再編集したという体で進んでいく『ノロイ』などと同じ、所謂ファウンド・フッテージ物。
予告が滅茶苦茶雰囲気良くて良い感じに怖かったのでかなり期待値高めでの鑑賞だったのですが、正直フェイクドキュメンタリーホラーとしてあまり完成度が高めな作品ではなかった。
全体的な雰囲気はかなりダークでじめっと話が進んでいく感じで、「あぁ、凄いガチのアジアンホラーだなぁ」とずっと身構えてたんだけど、いざ大きな動きがあったと思ったらジャンプスケアをボンっと出してそれで終わり。
個人的にこのジャンルで素晴らしい傑作と思っている『女神の継承』や世間でかなり話題となった『呪詛』では、ジャンプスケアで驚かせる事はあってもその他に精神的に嫌な描写を入れたりとテンションの盛り上がりをしばらく保つことで観客を冷めさせる事無く怖がらせていた。
今作はR指定作品ではないので仕方ないのかもしれないが、そっちに振り切って視覚的に嫌な気分にさせる描写を入れても良かったのではと感じた。
また、これは他の作品でもたまにあることだが、フェイクドキュメンタリーなのにも関わらずどう考えても劇映画の演出的カットが多数入っており、「誰が撮ってるの?」となるシーンも多々あった。
この手の作品でエンドロールを付ける事に個人的には凄く抵抗があるのだが、百歩譲ってそれは良い。
しかし今作、エンドクレジット最後に「この物語はフィクションです」との文言が…!!!
それは一番このジャンルでやっちゃいけないでしょ……
フェイクドキュメンタリー形式の良いところはスクリーンを出た後も観客に怖い気持ちを維持させる事が出来るという事にあると思っているので、これは流石に受け入れられない。普通に冷めてしまうので辞めてほしい。
『女神の継承』が同じ韓国(とタイ)製作のフェイクドキュメンタリーとして完成度が高く、それを基準に見てしまったのでその見方に凄く後悔…。
ですが、あまりこのジャンルを見慣れてない人には入門として凄く丁度いい作品だと思います!