のうりー

変な家ののうりーのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
3.5
公開初日に鑑賞。

オモコロにて投稿され、後にYouTubeにて動画化、小説化もされた覆面作家・雨穴氏による同名作品を原作とした実写映画。

動画では「雨穴さん本人」、小説では「著者、私」とされている主人公は今作では「雨男」で、演じるのは間宮祥太朗。
雨穴さん作品ではお馴染みの栗原さんは佐藤二朗が演じ、相変わらずのクセ強めな演技で良いキャラ付けがされていた。

不動産屋で掲載されていた"奇妙な間取り"の謎を紐解くことで、そこにかつて住んでいた住人の恐ろしい真実が明るみになっていく、という物語なのだが、小説ではミステリーがかなり強めで恐怖演出はほぼ無いに等しかった。

だが、今作の真相のホラー的内容から映画的に大味なホラー演出が増加、ミステリーとホラーの割合が8:2ぐらいだった物が6:4程にまで増している。
さらに、後半の展開も原作からかなり手が加えられており、映画的にこれまた大味な盛り上がりを見せる。

今回、かなり感心したのは語り手である雨男を"売れないYouTuber"にした事。
原作では語り手は"ライター"の為、現地調査はしても外観や近所の住人に聞き込みを行う程度であり、あとは栗原や柚希に話を聞き、聞いた話を橋渡しするなどあまり映画に合った主人公の動きが少なかった。

しかし、今回は"売れないYouTuber"である為、一発当てる事に賭け奇妙な間取りの家に侵入調査をするなど、小説と違った画の動きがあることで映画にした意義があると感じれた。

また、作中で"奇妙な間取り"として登場する3件の家を全てセットで完全再現しているのも素晴らしかった。
小説を読んでから映画に臨んだ僕にとっては、まさに聖地巡礼のようなものでかなり楽しい。

残念だったところを挙げると、原作では基本栗原さんが解説役に回り読者に分かりやすく間取りの謎を教えてくれるのだが、所々映画にするにあたってカットされてる部分があり、その部分が少し説明不足になっていた。

3つ目の家の謎に関してもほぼ無いに等しく、原作で面白かった「従兄弟云々〜」の話は殆ど無くただただ映画的なクライマックスを描くパートと化してしまっていた。
別に村ホラーにジャンルチェンジしなくていいんだけどなぁ…

そこだけがかなり残念ポイント。

原作では全くなかった最後の驚きの展開に、今後の雨穴作品映像化の動きに更なる期待が持てる。

今作は個人的に非常に評価が高めな小説実写化作品でした!
のうりー

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