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コヴェナント/約束の救出のIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.8
かなり面白かった。飛行機内で計10本近く鑑賞した映画の中で一番面白かった。内容はアフガニスタン紛争で、米軍とタリバンの戦いを描く戦争アクション映画。監督はガイ・リッチー。
20年続いたという米国史上最長のアフガニスタン紛争についてはよく知りませんが、映画を観ると現地アフガニスタン人は、タリバンと米軍(アメリカ)、双方に対して懐疑的であったことが分かる。そりゃそうか。タリバンといえば武装した堅固なイスラム教徒というイメージで、今尚続く女性への抑圧や娯楽に対する厳しい規制のほか、2001年のバーミヤン遺跡の破壊など概ねネガティブなイメージしかない。かたや米軍(アメリカ)といえば“世界の警察官”と揶揄されるイメージが強く、世界的にはそんなに良いイメージでも無いように思う。要するに、現地アフガニスタン人にしてみれば、まずは自分と家族の命が安全であることが優先で別にどちらの味方でも無い。そんな状況の中でどちらかに加担するにはそれなりのリスクが伴い、米軍を直接サポートするという行為はかなりリスクが高いことが映画を観ていて分かる。
映画には二人の主人公がいました。青い目が美しい米陸軍特殊部隊軍曹ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)と現地通訳のアーメッド(ダール・サリム)。二人は架空の人物ですが、実在したモデルがいるんじゃないかと思うくらいリアルで、鑑賞した後この映画が実話を基にした映画なのか少々ググってしまった。結果、架空のストーリーではありますが、帰還した米兵達の証言などを基に推測されたストーリーであるらしく、米兵と現地通訳の関係においても友情といえるとても良い関係は実在したようであります。(ザックリとしか調べてないけど。)
また、戦闘シーンも緊張感があって良かった。多少「タイミングよすぎねー?」と思うところもありますが、「実際こんな感じだったのかなあ」などと想像しながら鑑賞できます。アフガニスタンの見慣れない風景も「すごいなあ」と思ったのですが、現在タリバンによって支配されているアフガニスタンでの撮影はできないため、スペインのアリカンテとサラゴサというところで撮影されたようです。へ〜、ヨーロッパは色んな所があるんですね〜。
映画にケチつけるとしたら、ロゴがなんかよくあるデザインというか、ゲームのロゴみたいというか、ぶっちゃけダサいというか、もうちょっと名作感出しても良かったんじゃないかと思うがどうでしょう…まあいいけど。
さて、劇場で改めて鑑賞したいと思うのですが、日本公開は2024年らしい。遅い!はよ公開しようよ!ということで首を長くして公開を待ちまーす。
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