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コヴェナント/約束の救出のWESTのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.9
舞台は米軍とタリバンが対立中のアフガン。主人公は米軍曹長とアフガン人の通訳者。

基地を1歩でも出れば安心出来る場所などない。そんな荒野で通訳者に決死の救出で助けられた曹長。自分は英雄としてアメリカに送られた一方、通訳者はタリバンから追われる身となってしまう。通訳者のことが頭から離れない曹長は、命の恩人を救うべく再びアフガンに舞い戻る。

一瞬のうちに次々と命が奪われる戦場。日本ではリアルな戦況が報道されることがないので、多少フィクションであろうとも世界で起きていることを知るために映画は重要。過酷な自然環境と弦楽器の旋律が緊迫感を際立たせている。



↓ネタバレあり

作品の最後、もうダメだと思った一行は米軍の圧倒的戦力によって救出される。このシーンから、米軍の戦力があればタリバンごとき一掃できてしまうことが想像出来る。エンドクレジットでは兵士と通訳が楽しそうにしている写真が挿入され、関係性の良さが伺える。しかし現実では米軍は撤退し、アフガンはタリバンに占領されてしまった。米軍とタリバンの対立は多くの犠牲を産んだだろうが、米軍の存在は希望を与えていたと思う。

米軍は撤退すべきだったのか。タリバンは滅ぼすべきなのか。タリバン側にも人質を取られて協力させられている者、そもそもタリバンにならざるを得ない環境の存在。正解は分からないが、些細なことでも恩返しの連鎖は多くの人を救うことができると思えた。
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