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コヴェナント/約束の救出のryuposのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.5
 ガイリッチー監督の社会派戦争映画。アフガニスタン紛争に従軍するアメリカ兵と現地通訳者の絆を描いた作品、本当にこれガイリッチーか?
 実写アラジン、ダウニー版ホームズといった娯楽色の強い映画監督のイメージだったので最初聞いた時これは…?と思っていたが実際視聴して、こっちの方が合ってんじゃないかってくらい面白かった。
 緊迫感が凄い。物語が動き始めてから糸が張り切った様に緊張が続く、死と隣り合わせの緊迫感・恩人が死ぬかもしれない焦り・迫るタリバンの恐怖。作中キンリーの台詞通り休まる事がない。
 ジェイクギレンホールは相変わらずクソかっこいい、血を垂らしながら虚な目で空を眺める顔すらセクシーさがある。仲間を失ってやり切れなく叫ぶに叫べない状況のシーン、台詞はないのにとんでもなく感情が流れ込んでくる。そしてそれに勝るとも劣らないアーメッド役のダールサリム、くっそ渋い。妻子を守る為、友を守る為身を粉にして経験と知識と直感で追っ手を防ぐ。ラストの輸送機でキンリーに会釈するシーン、目頭が熱くなる。あとパーカーもといアントニースターの顔で安心できるとは思わなかった。
 今作重要な要素を持ってると思うのはBGM。チェロ?コントラバス?の様な弦楽器による重厚なサウンド。戦闘や緊迫するシーンでは心臓の鼓動の様な音を響かせ、アーメッドがキンリーを運ぶシーンでは何百kmととてつもない道を征く広大さを演出し再会シーンや友情を描くシーンでは優しい音が奏でられる。
 久しぶりの現代戦争映画だったけど本当に素晴らしかった。ガイリッチーよ、いつもの娯楽満点のアクションも良いけど、またこんな映画撮ってくれよ!
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