のこのこのこっち

タイム・オブ・ラブののこのこのこっちのレビュー・感想・評価

タイム・オブ・ラブ(1991年製作の映画)
3.9
トークで市山尚三が『羅生門』とキェシロフスキの『偶然』を挙げていた。もうね、1本めがこれで眠気もあったし、粗筋を半端にしか読んでなかったりでわかりにくいなあと鑑賞してたのだが、それで納得。区切りや誰の視点かを提示する瞬間はないが同じ人物たちを3つの異なる視点のパートで描いている。

①靴磨きの若者をタクシー運転手の夫が殺すもの②若者がタクシー運転手で夫になり夫は女の情夫と入れ替わったもの③最初と同じ設定に戻って老人が夫に妻の不倫を告げ2人が争うもの

それぞれに共通して描かれているものがありなんとなくイメージ的にリンクする。海に入れた魚、何度も登場する電車とその走行音にバックに映る家。老人がイヤホンをすると音が聞こえ外すと聞こえない。凶器に使われたもの。

3つめのパートの披露宴のシーンで「われわれは現実の人間じゃない」のような台詞があるが、それをわかってれば理解はかなり楽になりそう。