せいけ

夜明けのすべてのせいけのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
5.0
三宅唱の映画は毎度五感が研ぎ澄まされる
俳優の声と身体、暗闇に差し込む光、流れる時間、映画の要素すべてが詰まっていると言っていいと思う
自分ではどうしようもない困難を抱えて他者を拒絶しながらも他者に支えられて生きていく、そんな主人公たちを何気なく支えている会社の同僚たちにひたすら泣き笑う
観た瞬間にハッとするような古典的なショットに溢れているのに、いやらしくなく万人に開かれているのは間違いなくユーモアによるところ
人物同士の何気ないやり取りからそこに映っている以上の繋がりを感じた
ふたりが抱える困難以外は全く劇的ではない生活なのに、というかだからこそ日々生きている人という実感が得られて小さな変化に感動させられてしまう
本当に素晴らしい映画で恐れ入りました