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夜明けのすべてのKのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

雨の中1人居座る女性。彼女はPMSらしい。
この映画を通してPMSという言葉を内容を初めて知ることができた。PMSとはどんなものなのかを状態や周りの目などは冒頭の雨に打たれる背中がとても辛そうなものに見える。
そして5年後あっさり辞表を受理され転職。
そこでは普段の人当たりのいい藤沢と素っ気ない山添、PMSが出た時の会社の人達の対応に状態を理解してくれてる会社なんだなと少し安心する。そして素っ気ない山添も何かしらある感じを漂わせそれはパニック障害だった。発作を起こした山添に藤沢は落ちていた薬を渡し、それをきっかけに互いの病気を知ることになるが、まだ打ち解けあってないから山添はパニック障害とPMSは違うと言う。その違いを1発でわからせるのが電車だった。電車の中でパニック障害について調べる藤沢。そこには電車やバスにも乗れず何を食べても美味しくないし何を見ても面白くない、生きてるのが辛いが死ぬのは怖いと書かれている。
それを知り今までの山添の態度に納得し、それと共にある意味似たもの同士で互いを気にかけ変化し助け合うようになる。
藤沢が山添の髪を切るシーンでは吹き出してしまい、とても自然な演技でパニック障害である山添も吹き出したのが微笑ましくとても気持ちいいシーンだった。
それから2人で同じプロジェクトを進めるに当たり2人は良い同僚としての関係を築く。
決して恋愛感情とかではなく似たもの同士の同僚として描かれてるのがまた素敵で忘れ物を届けドアノブにかけて直ぐに帰るなど良き関係値であることが描かれている。
映画を通して病気が治ったとか問題を解決するのではなく病気との向き合い方を描いており、その結果第一印象で嫌いだったけれど違ったり、会社でお菓子配るの嫌だったのにたい焼きを買って帰ったり山添の中で夜が明けたのだろう。
会社の人たちはこの会社の良さを聞かれても言葉にはできてないがとても温かい会社だった。だからこそ山添も残る決意をしたのだろう。
ヘルメットを逆に被るシーンでも吹き出してしまい些細な日常の中にこぼれる笑顔の幸せを強く感じれた。
この作品何より良かったのは街灯が照らす夜の道や歩道橋から星を眺める2人、線路や街、忘れ物を届けにチャリに乗った時の陽の光、チャリを押して上った背景の富士山など
エモい風景がめちゃくちゃ良かった!!
移動式プラネタリウムの藤沢のスピーチも印象的でその言葉と共に2人が重なってエモかった。エンドロールの長回しで映す日常は冒頭とはまるで正反対で幸せそのものだった。
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