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夜明けのすべてのikekoのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

観た後は心がじんわり温かくなる映画で、思わず夜空を眺めながら、しばらく余韻に浸ってしまいました。。

淡々と主人公の2人の生活を映していて、セリフもいわゆる日常会話です。しかし藤沢と山添が出会い、少しずつ変わっていく様が丁寧に描かれています。特に山添の変わっていく姿には後半思わず涙が出ました…。最初は無気力だったのに、最後はプラネタリウムの仕事に熱心に取り組んだり、たい焼きを同僚に買ってきたり、木漏れ日の中を気持ちよさそうに自転車で走っていたり…生き生きした姿になっていくのが本当に良かったです。

病気で思う通りに身体が動いてくれないことに悩む2人ですが、いつしかお互い同志のような関係になっていき、助け合う姿がとてもいいですよね。しかも助けると言っても押し付けがましくなくて、できるときに手を差し伸べる感じがいいなと思いました。

また、主人公を取り巻く方たちも素晴らしかったです。職場の同僚の方たちの距離感もとてもいいですよね…いざ症状が出た時は寄り添ってくれて、普段はいつも通り何もなかったように接してくれ、過剰に世話を焼いてくる訳ではないあの感じが温かさに満ちてますよね。
山添の元上司の方もとても温かい人柄でしたね。恐らく自死してしまった姉のこともあり、山添を心配していたのだと思いますが、テラス席で思わず泣いてしまうところはとてもいいシーンでした。

最後の夜についてのメモ、素晴らしい文章でしたね。夜明け前が一番暗いという言葉、何だか救われますよね。人間生きていたらいい時もあれば思い通りにいかなくてもがく時もありますが、どん底に落ち込んでいるときが一番暗い。ここからは夜が明けて、徐々に明るくなっていくというのは、まさに映画で描かれている藤沢と山添のことでしたね。

パンフレットに夜についてのメモが載っているそうなのですが、まさかの完売だったのでまた映画館に行って購入した後にじっくり読みたいと思います!
本当にいい映画でした!これまで観てきた映画の中でもかなりお気に入りです!
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