おくち

夜明けのすべてのおくちのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.5
Youtubeの広告でたくさん流れてきて気にはなっていた程度だったけどちょうど自分もPMSで気分が落ちてて攻撃的になってしまっていたので「今まさに観た方がいいかも」と思って観に行ったら大正解だった。

思い通りに自分をコントロールできない生きづらさが観ている間はつらかったけど、そんな自分がもしかしたら誰かの歪な部分を埋めてあげられるかもしれないと、主演2人がゆっくり歩み寄る姿にボロ泣きしてしまった。温かい光と時々降る冷たい雨と、朝と昼と夜と。世界がもっとこんな風だったらいいのになぁって願ってしまった。

松村北斗くんがすごくいい。「きのう何食べた?」でケンジの後輩役で出演されていた時すごく自然な演技をされる方だなと印象に残っていたので今回もその延長で絶対いいはず!と期待してたらはるかに良くてびっくりした。2枚目なのにちょっと神経質でデリカシーがないけどとても素直でみんなに愛されるキャラクターがとてもよく似合う。
彼の演技をもっとたくさん見たいし、これから色んな作品に起用されて欲しいなと思う。

上白石さんも開いてる時と閉じている時の表情のフィルターのかけ方が絶妙で、小さな体に溜め込んだエネルギーが爆発する瞬間がすごい説得力を持って体現されていた。すごい。本当に。

個人的に好きだったのは小さな地震で一瞬緊張が走ったあと停電した瞬間に「どした〜?」って言っちゃう会社のおじさま達。あそこは何気ないシーンだけど日本で生きてれば共感できる日常のありふれた緊張ポイントで良かった。
「どした〜?」って言っちゃうよね
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