ゆ

夜明けのすべてのゆのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

三宅唱監督作品はケイコに続き2作目。
好きな部類の映画であることは間違いないし、「いい映画を見た」という感覚もあるんだが、「ぶっ刺さって抜けないわコレ」というまでには一歩及ばす、という感じ。「続いていく人生」を描いている映画だからこんなところで引っ掛かるのは野暮だと分かっていつつも、この一歩及ばない感は何だったのかを知りたくて今の気持ちを書き残す。

友達でもなく恋人でもない人同士でも、異性間でも、「助け合うことはできる」(それは病気に限らず)というのは非常によく分かるし、自分の肌感覚にも合う。それでもあの2人は結局親密なのかドライなのか、そこがあんまりしっくりこなかったのかなーー!
例えば藤沢さんには勝手に人の髪を切ろうとする図々しさや鈍感さがあって、初っ端から「なんかちょっと距離感不思議な人」という情報が入ってくるんだけど、当初「パニック障害とPMSって全然違いますよね」なんて発言をしていた山添くんが、あそこまで藤沢さんのこと理解しようと思えるかな?とか。山添くんの家で残業したりダラダラ2人で本読んだりお菓子食べたりするのに、藤沢さんが転職するってなっても2人ともめちゃくちゃドライに見えるな?私だったら絶対もっと縋りたくなっちゃうけど大人すぎん?とか。
だからなんだろう、一言で言ってしまうと結局「この2人のような距離感の人間関係には実感を持って共感できなかった」のかな、と。とはいえ、主題の描き方は凄く好きだったのでまた観たいと思います
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