ちょこ

夜明けのすべてのちょこのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

すごーーーくよかった。
号泣するわけでもないけれど、観終えた後じんわりと心があたたかくなって、明日からまた頑張ろうと思える作品。
副音声も素晴らしく、計4回観ました。(本当はもっと観たかった、映画作品で初めてDVD買うかも)

以下、1回目の鑑賞後の殴り書きです。生の感情を忘れたくなくて記録しました。

・大勢の人と行き交うとたまに「このすれ違うひとりひとりにそれぞれの人生があって、刻み込まれてしまったトラウマも、手離したくない過去も、かけがえのない大切な人もいるんだな」と思うと結構クラクラするんだけど、それに似たものを感じた
・北斗くんが言っていたように、心が温かくなって生きるのが少し楽になる映画だった
・誰もが生きづらさを抱えて現代をサバイブしてると思うんだけど、全てが上手くいっているようなあの子も日々悩みや葛藤を抱えながら生きているのかな、と考えたりした
・人には人の地獄があるし、それを100%分かり合うことはできないけれど、しんどい誰かを助けることはできると学んだ

・自助グループのシーン、私は大学の授業でそのようなものがあると認識していたけど実際に目の当たりにすると、なんというか自分はまだまだ何も知らないし誰の痛みも分かってないんだなと思った
・生きるのが辛いようなトラウマやふとした時に死にたくなってしまうような過去を抱えている人でも、今目の前にいる人を笑わせてあげたい、幸せになってほしいと願うのってすごい

・ブラネタリウムのシーンで萌音ちゃんが語る「夜についてのメモ」文章がすごくよかった(夜があるから星という素晴らしいものに出会えた、夜がもっと続けばいいのにと思った、昼も夜も宇宙も続かない、この世に不変というものはないのかもしれないみたいなニュアンス……ここほんとに一言一言が染み入る素晴らしいシーンだったからもう1回観にいきたい、調べたらパンフレットに載ってるらしいので買います)

・北斗くん改め山添くんの成長っぷりがすごい
・やはり優しさは想像力と歩み寄ろうとする姿勢だな
・普段は馴染んでいるように見えた萌音ちゃんが会社を離れて、無気力で浮いていた北斗くんが会社に残る決断をしたことの対比がよかった
・栗山科学の人達が愛おしくてたまらなかった、繊細な2人をフラットに丁寧に見つめてくれて寄り添ってくれていた

・主題歌が無いの新鮮だった!最後まで日常の静けさで人々を映し出すのが心地よかった
・歌で映画を締めくくっても良かったんだろうけど、敢えて日常で終わることでこれからもそれぞれの生活は続いていくんだなと思わせてくれた気がする

・全編フィルム撮影と聞いて楽しみにしてたんだけど、超よかったーーー
・電車の音、雨の音、風の音、人々の声、なんでもない日常の風景をフィルムで切り取ることであたたかさとやさしさが溢れ出ていた
・フィルムにしか出せない味がものすごく出ていて大正解(フィルムカメラ買おうと思ったくらい、その繊細さと彩りに魅力された)

・北斗くんが発作を起こすシーン、ちゃんと専門家の人が監修して慎重に慎重に撮影したと知って嬉しかった
・北斗くんの自然体だけどどこか影を帯びる演技はらしさを感じて好きだったけど、萌音ちゃんの抑えられない苛立ちや普段と比較した豹変っぷりが生々しくて鳥肌立った 女優さんってすごい

・公開日からかなり時間が経っていて都会の映画館でも一日に1回しか上映されてなかったんだけど、まさかの満席だったすごい
・ここだけの話、隣の人が副音声コメンタリーを聴きながら映画を鑑賞してて、主演のお2人と監督の会話が所々普通に聞き取れるくらい音漏れしてた😂初めて観るしここのシーンは映画の静けさを楽しみたいんだけどな...って思いながら音漏れも盗み聞き?してた笑
・上映が終わる前にもう1回は観たいなあ、満席になるくらいだからもうちょっとやってくれるはず
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