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チャレンジャーズのISHIPのネタバレレビュー・内容・結末

チャレンジャーズ(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

埼玉では1館のみの上映で、下手したらすぐ上映終わっちゃうのではという怖さもありすぐ観てきた。その決断は間違ってなかった。ルカ・グァダニーノやはり好きなのかもしれん。2個しか観てないが。
テニスプレイヤー達の30代のキャリアみたいなものを下敷きに、描いているのはやはり人間の欲望…というか性愛に関してのことで、その前に人間はあまりに愚かで、モラルに従おうとしても抗えない。
ゼンデイヤ演じるタシ(マジでゼンデイヤ可愛いしエロいし大人な雰囲気まで醸してて最高)を取り合う様な構図で、アート・パトリック(この2人も超イケメンのセクシーボーイたちで堪んない)の試合もそれと呼応するような展開なんだけど(ボールを追うタシを見ていると、どっちにするか悩むというかどっちが私の為に勝つの?みたいに見えるなと)、でもそれもそうなんだけど、アートとパトリックの、友情というか愛情が、その垣根(性別と言ってもいい)が融解していく様を描いてもいる。いわゆる、同性の友達・ライバルに対しての感情は恋愛感情とは呼ばない、とか、同時に2人の人に恋愛感情を抱いてはならない、とか世の中の規範(同性の友達に恋愛感情を抱かない、は今の時代には合わないことだからミスリードかもしれない)を、欲望は超えていくというか。そういうことを描いているのかなと感じた。それこそ、もはやテニスというスポーツと、この三者を巡る物語はもはや同期していて、その垣根も無くなっているようにも思える。隔たりということを考えた時、テニスコートはネットを挟んでプレイする競技で。アートとタシが大きく近づくきっかけになるタシの怪我のシーンだが、たしかアートはネットを飛び越えて彼女に近づいていたと思うんだよな。それ以外のことはおもいだせないけれど…こう、ネットを隔てた相手とのやり取り。言葉よりもボールが、プレイがものを言う、みたいなシーンも多かったかなあ。タシの怪我の後アートと練習している時、手加減しないで!してないよ。みたいなやり取りとかも、してないって言ってるけど加減してたわけで。あと本音が出てしまうシーンってどこなんだろうって思うんだけど、キスシーンやセックスシーンなのかなあって。それで言うと、アートとタシのセックスシーンがないのは…彼らは心通ってた訳じゃないのだろうか…ね。
だからまあ、この映画を一言で言うなら、テニスってセックスだったんだ!!ってことかな!!ラストシーン最高すぎて爆笑した!!まじでタシじゃないけど、カモン!!!イクわ!!!!

余談。音楽面白いなーって思ってたらナイン・インチ・ネイルズの人らなのな…。知らんかった。僕はトロイシヴァンを聴きながら書いているが…すごくマッチします。使われていなかったと思うけれども…使われてたで言うと、カエターノ・ヴェローゾ最高。粋な男、最高の名盤。
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