テニス界を舞台に、一人の女性をめぐる二人の男性の13年に渡る不道徳な恋愛ゲームの物語。当初観る予定は無かったのだが、訳あって急遽観賞。コレがなかなか良い。
進行するテニスの試合の形勢をなぞる形で、過去から現在に至る3人の関係を描く。衣装デザインはロエベのJW・アンダーソン。アートの着る「STANFORD」T vs. パトリックの着る「I TOLD YA」T のコントラストが面白い。加えて、ボカシの入っている箇所やチュロスを食べるシーンやラストなど、本作はちょっと「百合」的な匂いがする仕上がりになっている。
終始シリアスな語り口ながら、ゼンデイヤ の目ヂカラ、計算されたシナリオ、ビートの効いた劇伴、巧みなカメラワークで2時間超を飽きさせない。濃密な人間ドラマの意外な良作。