冷戦下のアメリカで軍事用として開発された巨大コンピュータ「コロッサス」。それが想像以上の速さで進化を遂げて自我を持ち始める。やがてソ連に存在するコンピュータ「ガーディアン」と共謀し、人類を脅し始めるSFサスペンス。
人工知能が自我を持ち、人類が危機に陥る。そういった映画は今では数多く作られていますが、今から50年以上前でこの設定の作品は珍しかったのではないでしょうか。(それ以前だと近い作品なら「未知への飛行」がありますが)
アクションは無く、コンピュータと人間の駆け引きがメイン。大きな展開はありませんが、どう転ぶか分からない物語の運びは面白みがあり、最後まで飽きさせません。
人類を自らの支配下に置きたいコロッサス。その開発者でコロッサスの暴走を止めようとするフォービン。シンプルな構図で101分展開します。
緊張感は確かにありますが、ちょいちょいコミカルな場面を入れるのは勿体ないかなぁと。それで一旦流れが寸断されてしまうから、個人的には全編もっと緊迫した空気が欲しかった気がしましたね。
アナログな雰囲気の作品ですが、今の時代にも通じる人工知能が暴走したらどうなるかというテーマはしっかりと描けていたと思います。