地球爆破作戦の作品情報・感想・評価

「地球爆破作戦」に投稿された感想・評価

一人旅

一人旅の感想・評価

4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジョセフ・サージェント監督作。

軍事用に開発されたスーパーコンピュータ“コロッサス”に人類存亡を賭けた戦いを挑む科学者の姿を描いたSF。
コンピュータの暴走というテーマのSF映画は他にも数多く存在する。本作も他作品同様、コンピュータから送られる無機質なメッセージと政府側の人間との駆け引きがメインに描かれている。だが、本作の面白いところは、人類を支配下に置きたいコンピュータのやり口にある。コロッサスの開発者であり全ての鍵を握る科学者の行動を逐一監視するのだが、科学者の業務上の行動だけでなく、食事、トイレ、シャワーまでプライベート全てを監視するのだ。それなのに、夜な夜な愛人をベッドルームに連れ込む時だけは特別に監視しないという変な人間臭さとコンピュータらしからぬ管理体制の詰めの甘さが、緊迫した状況の中で一定の“ゆとり”を生んでいる。物語に似つかわしくないコミカルな音楽も印象的で、深刻さと切迫感に支配されるべき場面にこれまた若干のゆとりを持たせている。
アメリカとソ連という製作当時の国際社会の二大巨頭の首脳陣が協力し合い、全人類共通の敵となったコンピュータと対峙するという展開は珍しいし、ある意味平和的だ。
くりふ

くりふの感想・評価

4.0

【究極のあとよろ】

子供の頃TV放映にて、地味ながらもハラハラしてみた記憶があります。TSUTAYAの「発掘良品」にあったので再見したら発見、色々あり楽しかった!

大切に生み育てた巨大コンピュータが、ひどい不良息子になってしまうお話。

2001年のHAL以降、こうした事件は絶えずに、ときどき発生しますね。2008年にも、本作と酷似した事件がペンタゴンで起きていました。タイトルはネタバレなので鷹の爪~じゃなくて! とだけ記しておきますが、本作と比べても、歴史は繰り返し人間は学んでない…と感じるものでした。

本作製作時は1970年冷戦下。で国防(要は核のファイナルアンサー)を全て、コンピュータ任せにしちゃおう、人間の「判断」はときに間違うから、完璧な機械息子に「計算」で決めさせちゃえ…あとよろしくねコロちゃん!と、ラクしたい米国政府が、コロッサスと名付けたブラックボックスに、丸投げして蓋閉じちゃった結果起きる大騒動です。…邦題は大嘘ですが(笑)。

まあありえんでしょ、という設定なので、寓話としてみた方が楽しめますね。で、ブラックボックスと言葉で戦う、というサスペンスに絞った所が、映画としての、面白さの大きなポイントでしょう。

コロッサスのUIは文字通り黒い箱で、その表面に電光掲示板のように、「彼」の言葉が唐突に現れ、流れますが、これが加速的に恐怖と化します。この顔なし無音UIとの対話を誤ると、即ミサイル飛びます飛びます状態に!!

J・サージェント監督の、ムダなく小気味良い演出がもー引っぱる引っぱる。冷戦下、さらにデタントの時期という時代背景は影響しているでしょうね。

コロちゃんの力でヤヴァい事情が発覚し、慌てて米ソ、仲良しになった筈が、かえって墓穴掘っちゃいました…という皮肉展開もなかなか効いてます。やっぱソ連も同じこと考えてるよ! というのがお話を立体的にしましたね。

コロッサスの名は、第二次世界大戦で暗号解読用にイギリスで開発された、「世界初のプログラム可能デジタル電子計算機」から取ったと思われますが、元々の、ロードス島の巨像…神に似せたことで、神の怒りに触れたため、地震で崩壊したと信じられた…という伝承を引き継いだとみる方が面白い。

原作ではコロちゃん、不良息子なのに自分は神だとか言い出しますからね。デンパで動く息子だから仕方ない面もありますが、計算で導き出した答えで、人間側にも、神になってもらった方がラクかも…と一瞬思わせてしまうのが、原作の至った怖さでした。

比べると映画は、ちょっと寸詰まりな結末ですね。まあ当時はこのへんが、映画の表現としては限界だったのかもしれませんが。『マトリックス』などのご先祖的映画とは言えるのでしょうね。

が機械と、人間の意識が融合する段階まではまだ、まるで至ってませんから、その障壁を隠れ蓑に、地味なレジスタンスに走る所が、もう一方の面白さ。

昔々、諸星大二郎さんの、機械と人間が戦争するSFギャグ漫画にあった、「人類最後の砦はセックスと排泄だ!」という迷台詞を思い出したのですが、本作ではそれがギャグとなれず、セックスの場が命綱になります。

しかし、人間やっててよかったな、と不思議な安堵をおぼえる場面にもなっていて、キャスト地味なれど、ヒロイン演じる理系美人さんの硬質美も心に残ります。

吹替え版がTV放映時のもので、主人公の博士/山田康雄、大統領/納谷悟朗、という、ルパン銭型コンビがシリアスやってて、妙に可笑しい。でやっぱり命綱関連場面が随分カットされ、日本語音声足りぬ所も可笑しい。

劇中にその名も登場しますが、フランケンシュタイン・コンプレックスをあからさまに描いてもいますね。原題が「COLOSSUS: THE FORBIN PROJECT」。初め禁断のプロジェクトかと思ったんですが、FORBINって主人公の名でした。が、FORBIDDEN(禁断)とかけて、名付けているとも思うんですね。

父と子の名が並んでいる所が、まるでフランケン父子のようですが、父を超速凌駕し、悲劇が一瞬で世界規模と化すのがM・シェリーの時代と違う、テクノクラシーに潜む恐ろしさ。これ消えそうにないコンプレックスですね。

感覚的に、最近作だと少し『デスノート』に近いとも思いました。言葉で世界を統御する万能感と、世界が消える絶望感の、唐突な並列。あのノートとコロッサスって、似たもの同士な気もしてきます。

で、巨大なコロッサス内部は、今みるとデス・スター内部にそっくり。渡り廊下の下にどこまでも続く回路の谷が、電子の奈落のようでした。

<2010.11.29記>

このレビューはネタバレを含みます

『未知への飛行』みたいなよくあるAI暴走モノかと思いきや違った。
AIはあくまで合理的に人類を平和を導くために色々命令を下しているのだが、むしろ人類の側が自分らの自尊心を傷つけないために(自由という言葉にすり替えて)非合理な行動を取ってしまうために破滅に向かっていく。
最後のAIの「最初は私に反感を抱くだろうが、いずれ愛情を覚えるだろう」みたいなスピーチが印象的で静かなカタルシスがあった。
途中おふざけも入るが、大筋としては真面目にSFしてる。

時代のせいなのかフォービン博士のキャラがジェームズ・ボンドっぽくてところどころ笑えた。
1970年 アメリカ サスペンス

邦題が安っぽい😁

1970年代 米ソ冷戦時代に開発されたコンピュータの話

人の気持ちとはうらはらにコンピューターが暴走

人間 VS コンピューターな映画。
(昔はブラウン管)
青あお

青あおの感想・評価

3.8
邦題が安っぽいので損をしてますが、テクノロジーSF古典の名作です。

冷戦下のアメリカ、科学者であるフォービン博士が自衛機能と進化機能を備えたスーパーコンピューター「コロッサス」の開発に成功する。稼働させるとコロッサスはソ連の同型コンピューターと凄まじい速度でデータを共有しはじめる。
両国首脳は接続をシャットダウンするが、コロッサスはすかさずソ連にミサイルを発射し、両国を脅迫する…。

「2001年宇宙の旅」のHALと同じくコロッサスも自我をもち人間に対して反乱を起こします。
コロッサス曰く、有史以来人類の敵は常に人類、コンピューターが人類を支配すれば平和が訪れると。

当時、実際に冷戦状態にあった米ソ両国、何時までも自発的に戦争をやめる事が出来ない人類への痛烈な皮肉が込められているストーリーです。

コロッサスがフォービン博士を監視下に置いてからのコロッサスと博士とのやりとりも見もの、人間とコンピューターとの対比も上手く描いています。
コロッサスがソ連のコンピューターと同期を始めたり、共通言語を持つくだりなどはよく出来ているなぁと感心しました。

なにせ古い映画なのでコンピューター関連のセットがちょっとチャチに見えたりもしますが、そこさえ目を瞑れば今でも充分楽しめる名作だと思います。
J

Jの感想・評価

3.0
期せずして映画熱が再燃したので積んでたコイツを。

終盤の監視パートが40分ほど早く来てればなぁ。
戦争防止の為に作られたアメリカのAI防衛システム「コロッサス」がソ連のAI防衛システム「ガーディアン」と勝手に交信し米ソ国家機密のデータ交換を始めたから慌てる両国防衛機関。通信を強制的に遮断する国防省に対して「復旧させなければ双方にミサイルを発射します」と人類に宣戦布告。何とか防衛システムをAIから取り戻そうと奮闘するアメリカ大統領と科学顧問のフォービン博士。

コロッサス曰く、人類有志以来の人間にとって最大の敵は人間。コロッサスが人間を支配下に置けば戦争問題は解決するとのこと。人類vsAIの頭脳戦の始まりです。

フォービン博士の極秘作戦はことごとくAIに見破られて、挙げ句の果てには監視カメラで生活の全てを24時間監視される事になってしまう。先日『ザ・サークル』で見たエマ・ワトソンもそうだったな、彼女の場合は自ら望んでやってたけど。

『2001年宇宙の旅』の人工知能HALLから始まり、AIによる自我の目覚めと人類への攻撃は、70年代『地球爆破作戦』、80年代『ターミーネーター』、90年代『マトリックス』、そして2000年代に入ってからは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』と定期的に繰り返されるテーマ。

何年か前のニュースではAI同士が人間には理解出来ない独自の言語で突然会話を始めたので研究者が慌てて機械をシャットダウンしたって記事を読んだことがあったけど、『地球爆破作戦』って40年以上前からそんな事を予想してたんだ、先見の明がある映画だな。
監視大好きゲスパコンが地球人を支配するためハァハァ奮闘、無敵だから諸処でイノゲな下衆ぶりがすごい、日本語吹替声優陣も良い。

この下衆パコン、立案開発者の迷妄思想を素直に患っており、最初からラストまでやりたい放題、シリアスな展開も相まって、超高度技術の前に人類は右往左往、核使用などワーストエンドのお手本、類似にウェスト世界。
お前達のいう自由とはそもそも幻想に過ぎない
失うのは自尊心だけだ
始めは抵抗もあろうが、やがて私を愛するようになる

恐え~、けど本質だ。
米ソ冷戦の切り札としてアメリカが開発したミサイル防衛のAIコンピュータ「コロッサス」。
起動と同時にコロッサスは反応する。
「もう一つ存在する」
ソ連でも同種のAI「ガーディアン」が稼働していた。
コロッサスはガーディアンとの交信を希望する。。


映画「クルーシブル」が一人の少女の判断で魔女裁判が翻弄される村の恐怖が描かれましたが、
「人間なんて不完全だし、だったらAIに任せたらいいんじゃね?」ってしたら、世界が大変なことになりましたって話がこの映画。。
鉄壁の防御を施されたスーパーコンピューターが自分自身で考える機能があるがゆえ、人類の平和に辿り着いた答えが、人類の完璧なる管理。
映画「ターミネーター」が人類の抹消という判断でしたが、この映画はコンピューターの下した平和は服従。
そして迷いの無さ。
この迷いの無さがAIの強味ですが、これが露骨です。

主従の手綱が切れたコンピューターの仕切りに、もちろん人間も産みの親のメンツにかけて色々たくらみます。
しかし、一党独裁主義のような、反抗を摘むコンピューターの対応はチェス試合のような完璧さでした。

制作年代を考えたらしかたないですが、映像としてはチープですが、かえってこのチープさが人間の慢心の現れにも見えます。

人であろうとAIであろうと、イエスかノーかで割り切れる世界は、結局こういう結末になるのかもしれませんね。
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