世界一有名なシューズ“エア ジョーダン”はいかにして誕生したのかを描いたビジネスストーリー。
裏切り展開や巧みな伏線回収があるわけでも、大袈裟な演出があるわけでもなく、ただ真っ直ぐに男たちの情熱がぶつかり合うさまがテンポ良く描かれていて、観ていて気持ちが良い。80年代のカルチャーとともに描かれているのも心地良い。ブラウン管のパソコンや散らかったデスクなど、オフィスのあの野暮ったさも、マット・デイモンのだらしない体型もなんだか愛おしい。
当時のNBAやマイケル・ジョーダンについて詳しくないけど、興味を湧かせる熱量を感じた。ナイキよりコンバースの方がバスケシューズのシェアが高かっただなんて信じらなれないけど、ダサいとされていたナイキが一発逆転を決めるさまにはドラマを感じて胸が熱くなる。まだド新人であったジョーダンの活躍を信じたソニーの功績はあまりに大きい。
エンドロール前にはジョーダンをはじめ、登場人物の功績や現在についての解説が入るが、事実を描いた作品がこうやって“今”とリンクすると無性に感動してしまうのはなぜだろう。
