KenzOasis

AIR/エアのKenzOasisのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
4.5
運命よ、そこをどけ。俺が通る。まさしく現代最高のスーパースターの1人、マイケル・ジョーダン。彼の名を冠した「エア・ジョーダン」はいかにして生まれたか?
1984年当時のバスケットシューズ界では負け犬だったナイキの熱いドラマを描いた一本。

これは最高だ!最高のお仕事映画。そして本当の主役はマイケル母。現代を生きる私たちは、エア・ジョーダンが紛れもない人気シリーズであることを知っている。それなのにこうも熱い気持ちになれるのはなぜだろう。
中心にいるのが誰もが知るマイケル・ジョーダンだからなのかというとそうではないと思う。
誰かの可能性を見抜き、信じ抜き、できるすべてをやり抜く。人が誰かのためにできる最高の仕事をやってのけた物語が描かれているからだろう。

劇中では何度もナイキの経営理念が出る。「プロセスは重要じゃない、結果がすべて」とあるが、奇しくも映画はそのプロセスが最高であることを証明してみせたね。

数々の当時のトレンドもおさえつつ、魅力的な音楽で彩った映像がかなり好きだった。ゴーストバスターズを差し込んだり、「ミスター・ミヤギ」を台詞に盛り込んだり、JUST DO ITの小ネタを挟んだり……フィル・ナイトをきちんと、だけど一度だけSHOE DOGと呼ぶ洒脱さ。
ベン・アフレックの監督としての技量は本当に卓越したものになったんだなあ。マット・デイモンが演じたソニーの熱量は、この映画の熱さそのもの。
あとクリス・タッカーのコミカルぶりは相変わらず見事。

劇場ガラガラだったけど、もったいない!
フォードVSフェラーリ同様の、やる気がでるモチベーションムービー。これは観てほしいな。
KenzOasis

KenzOasis