青い肌に真っ赤な目のドラーグ族の前では人間は愛玩動物であり、飼われ狩られる存在である。ドラーグ族に飼われるなかで知識を手に入れた少年テールを軸にしたSF。
総じてキモいが、総じてクリエイティブ。
服を作り出す謎の生き物、鳥みたいのをはたき落としてほくそ笑む謎の生き物、アリクイよろしく人間を吸う鳥みたいな生き物。睡眠ガスの散弾銃、人間用の掃除機。
1時間という短いなかに、見知ったものはひとつも出てこない。あるとすれば人間の造形くらい。それほどすべてにおいて独創的な世界が際立っている不気味な作品。
まあ現代のSFに触れていると特別面白くはないかもしれないけど、すごい作品ではあると思う。