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The Cathedral(原題)
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『The Cathedral(原題)』に投稿された感想・評価

[87年生まれ、ジェシー・ダムロッシュ] 70点

ジェシー・ダムロッシュは1987年、父方の伯父ジョセフが亡くなった2年後に生まれた。というナレーションから始まるダムロッシュ家(父方の一族)とオーキン家(母方の一族)の年代記。フィックス長回しを丹念に紡いだアルバムのような体裁をとっていて、残酷なまでに事実だけを等価に並べて展開される。祖母の死の報せも回転する室内ファンも、同じ様な時間が流れるのだ。この残酷さ、ダン・サリット『Fourteen』に近いものがある。東海岸の作家たちに通底するなにかがあるのか?(観たことないけどテッド・フェントとかリック・アルヴァーソンとかも近そう)。その合間には同時代のCM(独立100周年記念コインやコダックのカラーフィルム)やニュース(トランスワールド航空800便墜落事故や大統領の不祥事)が挿入され、一つの番組のように世界と個人を結びつけながら、まるで笑えないシットコムとして人生を再構築している。なぜ笑えないか?彼らがひたすら喧嘩しているからだ。前半30分はジェシーの母方の曾祖母を一族で押し付け合う様がジェシーそっちのけで語られ、ジェシーが10歳のときに両親が離婚してからは、ジェシーを介したダムロッシュ家とオーキン家の衝突が描かれている。

興味深いのはカメラと人物の距離感である。主人公のジェシーは勿論バストショットまで近付くが、父親リチャードは顔が判別できるくらいまで、母親リディアに至っては遠くにしか映らない(ちなみに、リディアを演じるのは『トップガン:マーヴェリック』以前のモニカ・バルバロ)。離婚後は母親のもとで過ごしていたので、ある種父親への憧れの現れなのかもしれない。
4.0
リッキー・ダンブローズの作品はヴィジュアルの圧が強くて凄いのだが、この凄さを言語化することができない。すまない。