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アナログのteaのレビュー・感想・評価

アナログ(2023年製作の映画)
4.0
《これが愛ってやつか...》


SNSなんかに縛られない顔と顔と向き合わせてとるコミュニケーション。
夏休み明けの中学生のように話が止まらない2人。
1週間に1回しか会えないからこそ、次会ったらこの話しよう、思ったこと感じたことを彼女に、彼に伝えたいなって相手のことを想う。そうやって思いを馳せる時間が愛を深めていくという形がいい。
すぐにLINEで伝える訳でもなく、
Instagramで誰かのいいねをもらう訳でもなく
ただ純粋に2人が幸せを分け合えられればいいという関係性は、愛で満たされた永久機関のようで、とても尊かった。


初々しい恋の始まりもすごく素敵で、そこだけでも涙が出てきた。
「もしお腹すいてたらご飯行きませんか!」
と緊張して一息で言っちゃう悟さんが可愛い尊い涙。笑


ありふれた日々の間に咲いた幸せを分け合いたいと思う人。
どんな過去があってもあなたと歩いていきたいと思う人。
元々他人だった人が、出会って恋に落ちて、こんなにも大切な存在になるなんて、
奇跡のような運命のようなものだなと感動しました。


「これが愛ってやつか...」
「今俺、誰かに好きって叫びてえわ、、」
友達2人もいいやつらだわ...私も同じ意見だぜ...って気持ちで目を細めて酒を飲む2人を眺める(笑)


この友達の関係も自然な感じでいいんだよな~!
居酒屋の「いいから出てけよ、」のアドリブ感とか、
さんまの缶詰を買いに行った友達が、実は木曜日だからみゆきさんに伝えなければ、とpianoに行っていたとか
飲んでたのに、よし!指輪買いに行くか!とすぐ行動に移しちゃうところとか
大切なことだから電話じゃなくて直接大阪まで伝えに来てくれる所とか
普段はぶっきらぼうなのにちゃんと愛があって、本物の友情だなと思った。


後半のみゆきさんと過ごす悟からは、
母親の「自分が幸せだと思う生き方を選べばいい」という言葉がちゃんと響いてたんだなと思う選択の意志が感じられるし、
「何をもって人はその人たらしめるのか」を考えさせられた。


人間関係が希薄化してるって言われてる現代。大切にしなきゃいけない対面での話とか、不特定多数よりも目の前にいる人を大事にするとか、そんな大切なことを思い出させてくれる作品でした。
心が洗われた~!


2023年 50作目
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