miu

アナログのmiuのネタバレレビュー・内容・結末

アナログ(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

色の使い方が綺麗な映画だった。2週間ぶりに2人がピアノで再開したシーンが印象に残った。後ろのインテリアも向き合う2人の服も水色で全体的に青にまとめられてるなぁと思ったあとの「海に行きましょうか」のセリフがとてもよかった。そのあとはひたすら青。ピアノのインテリアや水嶋の服にずっと青系の色が多かったことみはるさんがこれまではモノトーンの服が多かったことにもここで気づいた。だから、その後のプロポーズをする予定の水島が真っ黒のネクタイをつけているのは不穏でしかなかったし、最後みはるさんが水色の服を着ているのは希望に満ちてて良かったと思う。バイオリンの中の前の旦那さんとの写真ではみはるさんは赤い服着てるのも対比なのかなぁ。お母さんのバッグも水色で、青って冷たい色やけど、海とか空とか包み込むイメージとしてこの映画では温かみのある色として使われてる感じがした。
あと食事のシーンも好き。「ご飯を美味しく食べられることは心が豊かだということ」が伝わった。みはるさんだけが食事を取るシーンはなくていつも水島とご飯を食べてた。水島のお母さんが亡くなった時、水島はサバ缶に手をつけてない。みはるさんはきっと1人で食べるご飯は味がしなくて、でも、水島の心の豊かさとか愛に救われたのかなぁって色々考えた。映画の中に出てくる喫茶店とジャーマンポテトのお店と焼き鳥屋さんぜひ行きたいなぁと思った。月に重なるクリスマスツリーも見たい。水島と友達の関係性も素敵。
くどくはないけど一貫したテーマみたいなのがあってスッと心に入ってくる映画だと思った。

ただ、個人的にぷつんぷつんと時系列や場面が飛ぶ演出がその度に集中力切れてあまり好きじゃないのと、日記を読むシーンで終わってた方が好きかもしれない。再会後のことは非現実的で美化しすぎだと思ったし、上手く言えないけどラストシーンは恐怖とグロさすら感じた。

日記を読むシーンでクローズドノートっていう小説を思い出した。これも大好きだけど辛い作品。
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