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ジョイライド 幸せへの道のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ジョイライド 幸せへの道(2022年製作の映画)
2.8
【盗んだタクシーで走り出す少年。君、盗み慣れているよね】
ジョージア旅行の帰りの飛行機でオリヴィア・コールマン主演の映画があると『ジョイライド 幸せへの道』を観た。これがヴィジュアルに反してトンデモ映画であった。

日本では子どもが運転する映画にPG12がつく。最近だと、『シング・フォー・ミー、ライル』がこの理由でPG12となった。映倫のサイトでは「未成年の無免許運転の描写がみられるが、親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。」としっかり明記されている。大抵、子どもが自動車を運転する場面というのは葛藤があって、やむ得ず運転する流れになる。しかし、本作はどうも様子がおかしい。

少年モリーが、酒場でカラオケをしバイブスを上げる。そこへ父親が現れるのだが、母のための金を奪っていることに気づく。父から札束をふんだくり、追いかけっこがスタート。目の前にタクシーがあるので彼は飛び込んだ。通常であれば、タクシー運転手に「行って!」と命令するであろう。しかし、この映画少年がグラセフさながら、自ら運転し始めるのだ。そこには葛藤は一切ない。既に盗み慣れているような手つきで車を運転し始めるのだ。確か12歳だったよなと設定を疑った。そして、このタクシーには赤子とお母さんが乗っていた。お母さんは目を覚ますとびっくりする。少年が運転しているのだから。通常であれば、ここでタクシーに乗っていたお母さんは逃げるだろう。でも、どういうことだろうか、一緒に行動するようになるのだ。そして彼女は、赤子を養子として友人に譲りに行くことも分かってくる。

確かに誰かが、女と男、車があれば映画になるといっていたが、流石に状況が特殊すぎて開いた口が塞がらなかった。しかも、お母さんと共に行動するようになっても普通に少年は運転するし、なんだったら車強盗、その後も行うといったヤンチャっぷりを魅せるのだ。あまりにポスターヴィジュアルの斜め上を行く話すぎて、唖然としているうちに映画は終わってしまった。日本だと現在、ひっそりレンタルが始まったそうなので是非、みなさんの目で確認してみてください。
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