豚肉丸

Time to Love(英題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

Time to Love(英題)(1965年製作の映画)
4.7
上流階級の家に住む女性はある日、自分の肖像に恋をする男性と出会う。彼女はそんな男に次第に心惹かれるようになるも、「現実じゃなくて写真でしか愛せない」と男から突き放されて...というお話

映像の一つ一つが素晴らしい。構図も何もかも全てが美しく、強烈で目に焼き付く。
何と言っても、物語の中心的な役割を果たす「デカすぎる女性の肖像写真」が強烈。デカすぎる額縁にはデカデカと目力が強い女性の顔が描かれており、この写真が画面内に位置するだけで嫌でも目が引き寄せられてしまう。
そして、その肖像写真を持って外を歩くショットがあまりにも強烈過ぎて凄すぎる。雄大な自然の中でドデカい顔が画面を進む強烈っぷりよ。最高。

物語の発端は非常にキテレツだけれども主軸自体はしっかりとしたロマンチックな恋愛映画なのも面白い。立場の関係上繋がれる訳の無い2人が、「肖像写真」という1つのアイテムを中心に距離を縮めては遠ざかっていく姿はとてもロマンチックで、雄大な自然を映したショットが見事に効いている。

そして最も良かったのがラスト。絵面もショットも物語も何もかもが最高の瞬間であり、「ある2つの物が重なる瞬間」を捉えたショットにはあまりの見事さに声を出してしまった。あまりにも見事で印象深いショット。
クラシック映画ながらも今見ても全く見劣りしない(むしろ新鮮味すら感じる)ショットが盛り沢山で本当に面白い映画でした!日本上陸しないかな...

キャリアが気になって見た後に監督を調べたら『SEYTAN』(トルコ産エクソシストのパクリ映画)の監督だったのに1番驚いた。そんなことあるんだ...
豚肉丸

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