愛を求めて中年女性がケニアに旅行に行くも、現地の搾取構造に巻き取られてしまうお話
ウルリヒ・ザイドル監督、定点カメラのような視点でのカットが滅茶苦茶上手すぎて最高。ドキュメンタリータッチのカットと定点カメラのようなカットを組み合わせることで、劇映画らしさとドキュメンタリーらしさが混ざり合った不思議な感触のする映画に仕上がっている。
ビーチの海辺で佇む黒人たち。旅行客と現地民の相互的な「見る/見られる」構図を序盤で印象的なショットで描き出すのに驚いた。白人による搾取と現地民からの搾取を並列させて描くことによって、主人公の「愛を求める」という目的それ自体が搾取構造の中に組み込まれていることを知る。ビーチの映像がとにかく映えていて最高。
面白かった!