小林一羊

SISU/シス 不死身の男の小林一羊のレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.0
昨日のユーロスペースでの試写で鑑賞しました。
フィンランドの戦争映画というと2019年の『アンノウン・ソルジャー』のように祖国や家族を守る悲壮な戦いを描いた作品がありますが、本作は、正直に申し上げて、かなりの異色作です。フライヤーのコピーどおりほんとうに不死身な主人公が「ツルハシ1本でナチスを討つ」作品です。ただ、ツルハシの使われ方も、つっこみどころ満載です。とにかく小さいところにはこだわらないようにしましょう。
主人公のアアタミ・コルビを演じるヨルマ・トンミラという俳優さんは、なんでも62歳だそうですが、セリフのない演技で本作のテーマの不屈の精神を全身でみごとに表現しています。
ラストシーンにほとんど唯一のセリフがあります。これがまた監督の遊び心にあっけにとられますが、不思議な満足感を得ることができます。
小林一羊

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