【暗躍する組織たち】
2001年9.11後のアフガニスタン戦争のニュースで何度となく耳にしたカンダハルが映画のタイトルだったことや、原作者のアフガニスタンでの経験を元にした作品とのことで興味を引かれた。
イランの核開発、イラン革命防衛隊、タリバン、パキスタンのスパイ組織ISI、ISIS(イスラム国)、タジキスタンやアフガニスタンに跨って居住するタジク人武装組織など、ニュースで知った組織が登場して、人質にして売り渡して資金を得ようとする姿にもリアル感があるほか、逃亡劇も、夜間のヘリとの遭遇や暗視スコープも用いた銃撃戦も大迫力だ。
日本も「VIVANT」で”別班”なる防衛省の諜報工作部門が注目されたが、アメリカはやはりもっと大々的だ。
アメリカ軍が撤退して、タリバンが盛り返し、女性の活動範囲を極端に狭めるなとアフガニスタン情勢は先読みが難しいし、ウクライナに侵攻したロシアに対する支援や、ハマスやヒズボラ、イスラム聖戦など武装組織の後ろ盾となっているイランの存在感は増すばかりだが、そんな中東情勢も考えながら観るとより興味深いかもしれない。