CIAのスパイであるトムを巡る三つ巴、四つ巴の構造はそれぞれの民族や宗教、欧米を交えた利権などひとつになれない中東情勢の縮図のようでこの作品のメッセージもそこにあったのは伝わった。
イスマイルとモーの衝突の場面が中東世界の悲哀をよく表している。
しかし不説明に次から次へと新しい勢力が介入してきてしかもそれぞれの掘り下げがないものだから勢力同士の関係性や思惑がわからないまま話が進行する。中東情勢にある程度明るくないとストーリーからは置いてけぼりになり混乱する。
これは勝手な思い込みのせいだけど主役がジェラルドバトラーってことでエンドオブシリーズのような超絶アクションを期待してしまっていて不完全燃焼。
アクションではなくメッセージに軸足がある作品とはいえもうちょっと役者の特性を活かして派手な見せ場を作っても良かったんじゃないかなとは思うな。
あととにかく画面暗えよ。何してんのかわかんないのはほんとやめろ。