MasaichiYaguchi

未来は裏切りの彼方にのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

未来は裏切りの彼方に(2019年製作の映画)
4.0
デブリス・カンパニーの舞台劇「EPIC」をベースに北アイルランドの脚本家ユエン・グラスが手掛けたオリジナル脚本を、スロバキア人監督ペテル・マガートが映画化した本作では、ナチスドイツ支配下のスロバキアで起きた民衆蜂起を背景に、軍需工場のある小さな村で生き延びるため奔走する男女の運命を「裏切り」をモチーフにサスペンスドラマが繰り広げられる。
第2次世界大戦末期のスロバキア第一共和国、歩兵部隊のジャックは仲間たちが楽しむ娼館を抜け出して軍を脱走し、流産したばかりの妻エヴァのもとに帰る。
エヴァは傲慢な男バールが独裁経営する軍需工場で働いており、ジャックも脱走兵であることを隠してその工場で働き始める。
一方、戦後の工場経営に危機感を募らせたバールは、注文確約の条件として役人ハナーチェクの愛人キャットと結婚することにするが、そのキャットは、ジャックが脱走した娼館にいた美女だった。
傲慢なバールが独裁的に経営する軍需工場で、主人公を軸に生存を懸け繰り広げられる愛憎劇、パワハラ、裏切り、忍び寄る戦争の暗い影が描かれ、衝撃のラストへと雪崩れ込んでいきます。