なむ

星くずの片隅でのなむのネタバレレビュー・内容・結末

星くずの片隅で(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間として生きることの矜持。

善良であることが何の役にも立たない世の中で、誰も見ていないとしても、善良でありたい。そう思えることが、人として生きることの矜持なのかもしれない。ラストシーンを見てそう思った。

この物語を通して彼らの状況は何も良くなっていないし、寧ろ悪化したかもしれないけれど、人として生きるうえで大切なものを確かに手に入れたんだと思う。

主人公2人がいかにも性愛っぽい感じにならないのもすごく好みだった。いわゆるラブじゃない信頼の構築とあたらしい家族のありかた。勇気づけられる。

シングルマザーの彼女がオシャレでカラフルな出立ちなのも、とてもいい。「貧困は貧困らしくしてろ」みたいなアレに明確にNoを唱えているのが伝わる。お母さんがオシャレで楽しい方が子供も嬉しいよね。

神様に見えていなくても互いが見えていればいいって言葉も、すごくよかった。たとえ神様が力を貸してくれなくても、人間には互いに支え合うという幸福がある。

私も自分なりに善良に、時には人に頼って、自分の弱さも受け入れながら生きていきたいな。
なむ

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