ari

碁盤斬りのariのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.4
ザ・時代劇!
いや〜良かったなぁ〜

もう久しく日本の時代劇作品を観る機会が無かったけれど…これは良かったな。草彅剛ファンだから…が劇場まで観に行った理由だけどね…それを差し引いても良かったな。

派手な剣劇シーンも大掛かりな合戦シーンも無いけれど、それだけが時代劇じゃないからさ…。
柳田格之進の濡れ衣が晴れてそれを伝えに来る左門がとても良かったし(左門の格之進に対する言動によって藩にいた頃の格之進の背景が見えてくる感じ)、柴田兵庫は最後までとても悪いやつで良かったよ。ちょっといい人だったら…ねぇ、話変わってくる。
自然の音や色、日本の四季の移り変わり、節気ごとの行事や慣習…そういったものが丁寧に描かれていて時間の流れを静かに感じる。人々の日々の暮らしとその中にある心の機微と。
静かでありながらも、真実が明らかになっていく中で湧き上がる憤り。
監督や各スタッフの拘りのカメラアングルや照明、衣装小道具、大道具に背景などなど…ものごと全てに魂が注がれていて観ていて震えました。
そして何より碁盤斬り…ですから。斬り合いではない、囲碁のシーンの緊迫感たるや…!格之進と兵庫のあのシーン…なんなの?!という衝撃…。
落語が元ネタですが、落語が分からなくてもそして囲碁が分からなくても全く問題なく…ちゃんと観ていればある碁のシーンが、その後のある碁のシーンの説明をしてくれている。それがとてもさり気ない。各人の囲碁の所作や打ち方も見ものです!

世界中のたくさんの人たちに観て欲しい日本の時代劇映画です!
ari

ari