くさむすび

碁盤斬りのくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

柳田格之進は清廉潔白、正々堂々と言っておきながら、賭け碁で失った家賃を娘に泣きの演技をさせてどうにかしてもらうとする辺りで「この人間は額面通りに受け取って良いのか?」となるので、単なる復讐劇、善悪の二項対立の枠に押し込んでいないのが面白かった。格之進だけでなく、柴田も掛け軸?を売って他人の生活費に充てたという話を聞いた後ではかなり気持ちが揺らいだし(結局嘘だったことが判明するが)、小泉今日子の役柄もてっきりお絹を返さないんだろうなと思ってたらあっさり返していたりと、それまで提示されていた性格とは異なるような行いをしていたりと、見かけによらない人間性を浮き彫りにしていた点は良かった。
なんだけど、ストーリーに意外性が無かったのは残念なポイント。50両事件の真相の捻りのなさ、格之進が江戸を出てからの物語の失速。柴田兵庫を探す場面は少し長い。前半のワクワクからは程遠い後半の低調ぶりは残念だった。
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