Jellyfish

碁盤斬りのJellyfishのレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
4.0
落語の人情話を 白石和彌 監督が翻案。武士の矜持と人情のせめぎ合い。桜で始まり、風鈴、蝉の声、お月見、師走、雪を経て梅に至る季節の移ろいを丁寧に描く1年間の物語。

闘いはもっぱら碁盤上で繰り広げられる。エンドロールに囲碁監修のスタッフが多数クレジットされていて、囲碁がわかればより楽しめるだろう。その反面、殺陣シーンは少なくてそこが評価の分かれる所の一つと思う。

真正面から捉えた 草彅剛 の表情が持つ独特の迫力は周知の通り。細マッチョ姿もサマになっている。彼が演じる浪人の「武士の矜持」が周囲を不幸にし、最後は人情によって救われる話なのだが、そこら辺の落語ならではの強調と省略を飲み込めないと、厳しい評価を下す人もいるだろう。

自分は、途中からそこのリアリティ・ラインを下げて観ていたので、とても後味の良い人情時代劇として楽しめた。今週公開作の中で最後までどうするか迷った作品だったが、劇場で観れて良かったと思う。
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