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碁盤斬りのtkのネタバレレビュー・内容・結末

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

演目「柳田格之進」
途中から聞き覚えのある内容に気付く。
5代目、三遊亭圓楽師匠だっただろうか。
なかなかに泣ける人情噺。
「人情噺文七元結」の内容にも似ている。
噺家さんによってキャラクターデザインや演出が異なるだろうから、今作もそのバリエーションの一つと思いたい。
落語をベースに仇討ち要素をプラス。
全体的に悪くは無いんだけど、な。
萬屋と弥吉の互いを想ってのやりとりが一番グッときた。
お絹にまつわる落とし所は、もっとタメがほしかったシーン。
大事な場面があんなにあっさりだと、どうにも泣けない。
そして気になるのは、お歯黒と眉毛。
昨今の美意識なんだろうけど、今とのギャップも併せて面白いのが時代劇だと思うのは少数派なのか...。
どんどん軟弱でわかりやすいばかりになってゆく時代劇に歯応えを感じられない自分は老害かもな。
「首」のような時代劇、もっと観たいゾ。
タイトルの「碁盤斬り」
主人公の名前でないなら、響き的にも「碁盤打ち」の方がダブルミーニングにもなって渋いと思うんだが。
テーマの“斬る”っていうこと。
なぜ碁盤を斬ったのかが明言されない。
落語の「お後がよろしいようで...」の気持ちいいサゲを期待していたので、なんかスッキリしなくてモヤモヤ。
せめて落語のようなセリフを格之進に言ってほしかった。
ここの分かりやすさは大切なんだけどな。
碁盤を斬った場面でスパッと終わっていても。
お絹の顛末はなくてもカッコイイ幕引きで良かったと思う。
なんか色々と惜しい。

拙者、面倒な時代劇(落語)好き侍じゃ...。
白石和彌監督って言うじゃなーい。
期待値上がったけど、やっぱり落語の演目は噺家に限りますから〜!!
残念!!
草彅剛、一本満足出来なかった斬り!!
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