幼い頃、夏休みになると海辺の親戚の家に泊まって泳いでいた。
とりわけ楽しかったのは、岩場で素潜りして、ウニやアワビを取って食べたこと。
醤油を持参して、垂らして食べた味が忘れられない。
今まで食べたどんなウニよりも美味しかった味の記憶。
海水パンツにアワビを詰め込んで、家まで持って帰ったこともよく覚えている。
今ではそんな行為は密漁扱いとなり、捕まえられてしまうだろう。
日本の海においても水産資源の枯渇や海焼けは深刻な問題なのだから。
「アワビは3個のうち1個だけ取るのよ。そうすれば永遠になくなることはないから」
そんなセリフがあった。
海からの恵みをいただきながら、海洋生物の多様性を守っていくこと。
そんな海の環境を守り続ける娘と母の物語。
豊かと思っていたオーストラリアの海にも環境破壊の波が押し寄せている現実。
何とか保全し、守ろうとする人々。
立ち向かう母と娘の意志と姿勢が、海とともに美しかった。
豊穣な海の象徴が「ブルーバック」と名付けられた青く巨大な魚だ。
「ブルーバック」と母娘との交流も見どころで、青い海の中に引き込まれていく。
陸地の環境破壊だけでなく、海洋の環境破壊にも、自然と目を向けさせてくれる。
原作は児童文学だという。
多くの子どもたちや大人にも観てほしい佳作だ。
青い海や入江の風景を観ているだけでも癒されるに違いない。
余談
あの「ブルーバック」と名付けられた巨大な青い魚グローパー
あれがパペット(人形)だったなんて!
海の中だったら溺れちゃうくらいの衝撃!
本物にしちゃあ都合よく出てきて懐いてたんだけどね。
「オーストラリアの海はやっぱり違うなぁー」なんて思ってた素直な私。