Tekito

ヴァチカンのエクソシストのTekitoのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
2.0
心理学者のユングは悪魔憑きを抑圧された心理的要素や内面の対立、未解決の感情などが、象徴的または具象的な形で表面化するものと見なしていました。そういった点では本作の悪魔の表現は悪くなかったです。

また、本作をきっかけにヴァチカンのエクソシストについてChatGPTに質問をしたところ、現代のヴァチカンに存在されるエクソシストは悪魔憑きと精神疾患を区別されていたり、映画を通して現代のエクソシストを知るヒントとしては良かったです。

ただ正直私には本作で満足するのは難しかったです。

エクソシストの1作目の悪魔憑きの女の子は特殊メイクが大袈裟であったり、空中に浮いてしまうファンタジー要素はありましたが、演技が本当に憑依されているように見えるレベルと感じれました。また私はアメリカに住んでいた時に毎週日曜日に教会に通っていたのもあり、1作目のエクソシストが本物の悪魔憑きに見えてしまい、キリスト教的に罰当たりなものを見てしまう感覚を覚えました。

悪魔とはジャンルが違ってしまいますが、黒澤明の夢という映画にあった狐の嫁入りであったり、Netflixのラブ、デス&ロボットの彼女の声という作品では本物の憑依に見えるレベルのものを見せていただけました。

私自身憑依体質なので、この手の作品にはそういった本物の憑依レベルの演技を期待してしまう私には満足できませんでした。

悪魔の種類が少し変わってきますが、ディアボロスのアル・パチーノであったり、現代のリアルの悪魔としても見れる羊たちの沈黙のハンニバル・レクター博士くらいの悪魔憑りの演技もまた私にはツボで、満足する事ができました。

ただ私が求めるハードルが高過ぎるのがいけないのかもしれませんが、本作は普通に楽しめる映画ではあります。

小島秀夫が本作を大絶賛したので期待し過ぎました。

後半はインディージョーンズみたいになったり、悪魔憑きの少年がダースベイダーと同じフォースを使って首絞めてたのはウケました笑

個人的に本作よりもエミリーローズの方がおすすめです。
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