Tekito

ナポレオンのTekitoのネタバレレビュー・内容・結末

ナポレオン(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

私は三国志、項羽と劉邦、GOT、ベルセルクなどの中世の戦国史が大好きでこの手の漫画や映画は積極的に見るようにしています。

グラディエーターのマキシマスのように男が惚れる完璧な男も素晴らしいけど、本作のような人間臭いナポレオンも悪くないですね。

思い出すのは映画アマデウスのモーツァルトが学校の音楽室で持つようになったイメージと裏腹に、下品で岡村隆史のようなキャラクターのモーツァルトが意外に良かったのに通じる感じでしょうか。アマデウスのモーツァルトほど魅力的に表現出来たとまでは言えないけど、リドリー・スコットとホアキン・フェニックスで表現された人間臭い、素で自然なナポレオンが身近に感じれて良かった。

女性の立場が社会的に低かった点も表現出来てたのもリアルで良かった。

このような主人公とヒロインの見せ方は少ないけど、現代の女性は権利をより求めるのでジョゼフィーヌの見せ方は時代的にも合ってる。

序盤で銃を撃った敵の傷に指でえぐって苦痛を与えるシーンを見ますと、人を殺す事に慣れているこのような人たちが本物の狼で、人を殺せない私たちは羊で、平和な社会の住人だから実感する事が少ないけど、人間社会は狼が混じった羊の群社会に思えました。

映画の上映時間が2時間38分と長めですが、ナポレオンの生涯と考えたら短過ぎる、なぜドラマにしないんだ?といった意見もありました。

多分理由はアップルTVはまだNetflixやディズニー+に太刀打ちできる段階でもなく、更に多分まだ黒字化が出来ていないと思います。多分今はまだ先行投資の段階なので、映画市場からアップルTVにお客さんの誘導目的のPRが理由だと推測します。

アップルTVから莫大な予算と更にリドリー・スコットや演技と人気と名声のバランスが現時点で最高峰のホアキン・フェニックス、その他世界最高峰の機材や人材など限られたリソースの中で最高の仕事が出来ているのではないでしょうか。

冒頭のギロチンシーンで映画館に遅れてきた人が前を通って10秒くらい見れなかったのは残念。アップルTVなどで配信された際にはもう一度見たいと思います。
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