まり

ヴァチカンのエクソシストのまりのネタバレレビュー・内容・結末

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

悪魔憑きの98%は精神疾患、しかし残りの2%は……?

ヴァチカンのチーフエクソシスト、アモルト神父は、少年の悪魔祓いをしてほしいというローマ教皇の依頼でスペインのサン・セバスチャン修道院へと向かう。
調査をしているうちに、カタコンベに隠された真実を知ることになり……。

ラッセル・クロウに対する安心感がすごい。
アモルト神父という実在したチーフエクソシストの魅力を思う存分見せてくれる俳優としての信頼感が、そのままこの作品中のアモルト神父への信頼にも繋がるほど。
ラッセル・クロウが醸し出す雰囲気や纏う空気。本当に稀有な存在感のある俳優だと思う。

そして、アモルト神父と共に悪魔祓いをすることになるトーマス神父は信仰心が篤く真面目な青年。
悪魔祓いの経験がなくまだ頼りなさを見せるトーマス神父が、終盤では悪魔と対峙しアモルト神父を助けるまで成長する過程も見どころ。
バディものとしても成長物語としても、そして謎解きとしても楽しめる展開はエンタメ性の高い作品となっている。

一方、異端審問を悪魔の所業とするところはやはり引っ掛かる。
罪悪感や心の傷だけでなく、盲信にこそ悪魔(悪意)のつけ入る隙があるということか。
となると、やはり悪魔(悪意)に対抗できるのは信仰(善)なのだろう。

程よい緊迫感とキャラクター性の立った登場人物など、素直に面白かったので続編も楽しみです。
まり

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